2007年 02月 18日
テレビの国
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ひろきちさんのブログ 『ひろきちのあほ~ん代表』より
『TBSの情報番組2連続打ち切り』
ふと、昔に体験した出来事を思い出した。
場所は東京下町。
都電(路面電車)の、とある停留所にほど近い「トンカツ定食屋」。
職場に近かった事もあり、夕食をとりに週に1度は必ず足を運んでいた。
このお店の”名物”トンカツは、
ビジュアルが普通のトンカツとかなり違い脂っこく見えるため、
初めて目にした時は一瞬引いたが、
特製ソースの中で数時間煮込まれた豚バラ肉はとても柔らかく絶品。
油も抜け見た目と違い意外とサッパリしており、そしてとろけるような肉が舌に心地よい。
一風変わっている上に味も美味しく、立地も下町。
マスコミが放っておくはずも無く、昔から各種メディアが取材に来ていた。
しかし、当時の店主はマスコミに殆ど興味がなく、
新聞と雑誌の取材は何度か受けていたようであるがテレビ取材はいつも断っていた。
交渉のために店を訪れていたテレビ局スタッフを数回目にしているが、
スタッフはいつも軽くあしらわれていた。(苦笑)
・・・こんな感じ・・・
局「お世話になってます!T※Sの者ですが~。」
店主「いま、店忙しいからさぁ~、落ち着くまでちょっと待っていてよ~。」
・・・かなり長い時間放置・・・
局「お忙しそうなので、また出直してきます~。」(やや意気消沈気味)
スタッフが去った後、
店主のおじさんが話すには、「局の持ってきた企画が気に入らん!」という事であった。
このお店は某女子医大附属病院のすぐ隣に建っている。
局が考えたシナリオは・・・・
入院中の家族を見舞った後、必ずこの店のとんかつを食べて帰る一家がいた。
店主のおじさんの励ましと、
『トンカツ』の美味しさによって、一家は次第に元気付けられていく。
そして数年後。
無事に退院した家族含め一家全員で久しぶりにお店を訪ね、店主と感激の再会を果たす。
・・・・・というものであった。
まぁ話としてはありがちながらも、それほど問題はないと思うのだが、
スタッフの次の一言が、おじさんの心を完全に閉じさせた。
「と、いう話しにまとめたいので、どなたかそういう方、いらっしゃいませんか?」
おじさんとしては、
ドキュメントとしてテレビカメラが数日張り付いて、
店のありのままを、ただそのまま撮っていくようなものなら、受ける意思もあったようだ。
ただ、最初から用意されていたシナリオの存在を知り、
「この忙しいのに、そんなのに付き合ってられるかょ~。」
という結論に達したのであった。
今では店主も代替わりしているので、スタンスは変わったかも知れないが。
by arukimono
| 2007-02-18 20:56
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