2007年 04月 15日
あの頃の未来に、 僕らは立っているのかな。
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Excite エキサイト : 社会ニュース『黒川紀章氏の代表作取り壊しへ』
黒川紀章氏の代表のひとつである『中銀カプセルタワー』が、
近く取り壊しになるようなので記念に写真を撮ってきました。
この建物、
名称に”カプセル”という名前がついている為によく勘違いされ、
雑誌などで「カプセルホテルの元祖」と紹介されている事がありますが、
あえて言うならば「ワンルームマンションの元祖」の方が正しいと思います。
建物のフレームに細胞が取り付くように、カプセルと呼ばれる住宅ユニットが取り付けられています。
カプセルユニットは交換が可能。
時代の流れと共に建物も新陳代謝を繰り返しながら生きながらえてゆく。
そんな斬新な考えを持って生まれたビルだったのですが、
志半ばでその役目が終焉する理由は、
時代の変化のスピードの速さと、
時代が進むべき方向が当初と変わってしまったという事なのでしょうか。
最初に勤務した事務所時代、
設計していたマンションのクライアントがこの建物のオーナーだったので、
何度かここに使いに訪れた事があり、特に最初に見たインパクトは相当なものでした。
良いか悪いかの議論はともかくとして、
こんな都市景観にお目にかかれるのは世界広しといえども、ここ東京だけでしょう。
しかし、このビルを改めて眺めてみると、
革新的な全体のたたずまいに対し、低層部分だけは至って平凡なビルの姿。
カプセルの内部はこんな感じ。
未来的な感じをより強くしている象徴的な丸窓。
建物が出来た当時は、扇子が開くように窓をぐるりと覆う特殊なブラインドが装着されていました。
『カプセル=消耗品』だが、同時にそれは不動産であることもまた事実。
老朽化の問題、そして銀座という地価の極めて高い街に建つという事情。
さまざまな逆風が吹き付けてしまいました。(アスベスト問題もあるみたいだし)
未来派だった建物が時代に追い抜かれて行ってしまった。
さようなら。カプセルタワー。
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中銀カプセルタワー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中銀カプセルタワービル(なかぎんかぷせるたわーびる)とは黒川紀章が設計した世界で初めて実用化されたカプセル型の(それぞれの部屋の独立性が著しく高く、技術的には部屋=カプセルごとに交換が可能な)建築(マンション)。東京の銀座にあり、1972年竣工。
黒川の初期の代表作であるとともに、メタボリズムにとっても代表的な作品である。
鳥の巣を積み重ねたようなその特異な外見は、ユニット性のカプセル住宅(マンションであるが、事務所としても利用可能)としての機能をダイレクトに表現したもので、その評価は高い。
竣工後30年が経過し,老朽化が問題になっている。黒川はカプセルの交換によって利用し続けることを求めていた。一部の報道機関は2006年9月に開催された区分所有者の総会により建て替えが決まったと流したが、実際には過半数の所有者が賛成したに過ぎず、区分所有法で定められている議決権および区分所有者の80%以上の賛成を得ていないため建て替えるか否か決まっていなかった。その後2007年4月15日に管理組合の臨時総会で区分所有法に基づくマンションの建て替え決議が行われ、法定数以上に達したため立て替えが正式に決定した(産経新聞の記事より)。地上14階建てのビルに建て替えられるという。
by arukimono
| 2007-04-15 20:56
| 建築者